第8回大分自然環境研究発表会について

2019年1月11日(金)

12月15日(土)に理工学部大会議室にて、第8回大分自然環境研究発表会(主催:大分自然博物推進委員会)が開催され、減災センターより奥山 みなみ 助教(医学部)、中井 真理子 客員研究員(NPO法人おおいた環境保全フォーラム)による「大分県北西部地域における外来生物アライグマの遺伝子解析結果」について研究発表が行われました。

タイトル:大分県北西部地域における外来生物アライグマの遺伝子解析結果
発表者:〇中井真理子、 奥山みなみ(〇が発表者)

<概要>
近年、大分県北西部地域において特定外来生物アライグマが急増している。近隣の福岡県、佐賀県では、年間1000頭(2017年時点)以上捕獲されており、九州北部からアライグマが分布を拡大し南下していると予想されてきた。根絶を目標とした対策を講じるには個体数が少ない早期の捕獲が有効であるが、実際は農作物などへの被害が深刻化してからの対策となることが多く、被害や痕跡が少ないうちの対策の必要性を数値で示すことが難しい情況であった。そこで、分布拡大に関する科学的な調査を2017年10月~2018年3月に実施した(H29年度環境省九州地方環境事務所請負業務)。大分県北西部地域および福岡県と大分県の県境地域で捕獲されたアライグマ105個体のミトコンドリアDNA分析をおこない、中津市と日田市で出現したmtDNA型に地域的な偏りがあることが分かった。中津市と日田市の市境には大きな河川である筑後川水系があり、地理的な要因で遺伝子グループが分かれている可能性が示唆された。今後は、GISによる詳細な分析を進め、将来的にアライグマの分布拡大を予測し、早期の対策へとつなげる仕組みを構築したい。

データ引用元:平成29年度九州地方アライグマ防除連携推進業務報告書
(発注者:環境省九州地方環境事務所、請負者:NPO法人おおいた環境保全フォーラム)

 

 

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