【第2報】中津市耶馬溪町で発生した土砂災害(2018.4.11)について(UAV調査報告)

2018年4月12日(木)

2018年4月11日(水)未明に大分県中津市耶馬渓町大字金吉地区で発生した大規模について,減災センターでは,UAVによって撮影された動画や画像や現地実地状況調査をもとに,現地対策本部,関係機関と連携資しながら,二次災害の危険性等に関して現地で救援・支援にあたる活動隊への後方支援活動を行っています。また,地すべり発生トリガーの検討,学術的な災害調査や情報集約を行っております。

現場周辺の山頂付近は耶馬渓特有である火砕流堆積物(溶結凝灰岩)が広がっており,周辺地形の特徴である柱状節理が形成されています。山頂より河川までの斜面は風化や侵食等によって形成された砕屑岩(火砕岩)が堆積しており,周辺地形は地すべり地形が形成(NIED 「地すべり地形分布図」https://gbank.gsj.jp/geonavi/)されるなど,周辺では過去に地すべり運動を起こした疑いが見受けられます。この地域特有の岩峰群に伴うキャップロックでは,上位層の岩層亀裂に地下水が溜まり,崩積した下層が粘性化するため,地すべりの素因が発生することも考えられます。

現場は中腹で幅120m,斜面長が約200mにわたって巨礫混じりを伴う大量の土砂が崩壊し民家を飲み込みました。中腹には湧水個所が確認され,11日の午前中まで大量の濁水が湧出していましたが,午後にはその湧出量も少なくなりました。トレンチ状のV字となった地盤は,崩壊後の湧水の浸食によって形成されたものと思われます。滑落した冠頂は自然林と人工林の境界部分で発生しており,その滑落崖は直立に等しいほどの急勾配となって,滑り落ちた頭部の土塊は不安定な状態で上部付近に維持しています。中腹部は変形土塊となり,二つの方向によって流れており,一部,地山を維持している状況にあります。頂部を含め側方の滑落崖の地塊,変形土塊が不安定な状況にあり,また巨礫が中腹に散在するため,引き続き,二次災害の恐れも懸念されます。

周辺ではここ数か月の間,地下水が急激に上昇するほどの雨量が発生したことは無く,地すべりの誘因となった地下水については未だ不明の状況です。そのため,周辺地形に伴う地質的素因と地下水等の誘因の双方を検討し,減災センターでは引き続き調査を実施していきます。

なお,土砂災害により被災された方々へ心よりお見舞いを申し上げるとともに,救援・支援などの活動に尽力されている方々に深く敬意を表します。

 

※動画・画像を二次利用する際には大分大学減災・復興デザイン教育研究センターを明記してください。また,オリジナルデータ等が必要な場合は,減災センターまでお問合せ下さい。

 

【4/11(水)午前11時UAVで撮影した崩壊現場】

 

【4/11(水)午前16時UAVで撮影した崩壊現場(詳細)】

 

【崩壊現場を下流側上空から望む】

 

【崩壊現場を上流側上空から望む】

 

【崩壊現場を正面上空から望む】

 

【山頂及び滑落冠頂付近を望む】