令和7年2月2日(日)に国東市武蔵中央公民館において,大分大学主催(共催に国東市,大分県,気象庁大分地方気象台,国土地理院九州地方測量部)による「減災シンポジウムin国東市」を開催しました。当日は休日にもかかわらず市内外から約140名の方が訪れ「持続可能な減災社会の実現に向けて」をテーマに,地域防災や減災社会のあり方を考えるシンポジウムとなりました。
第一部 「災害を学ぶ」 では大分大学減災・復興デザイン教育研究センター長の鶴成悦久教授が,これから多発化・甚大化する豪雨災害、そして迫りくる大規模地震にどのように立ち向かっていき,それを享受できる減災社会を考えていくかということが大きな課題であると述べ,過去・現在・未来を見据えた減災社会の構築について報告しました。
続いて,関係機関からのトピックスとして国東市・大分県・気象庁大分地方気象台,国土地理院九州地方測量部より話題提供がありました。
第二部 「実践的な避難計画に向けて」 では社会福祉法人南部清流福祉会 南部こども園 主幹保育教諭 萱島 美和 様より12月に開催した避難訓練での課題等の事例発表がありました。避難訓練を繰り返し行うことで子どもが落ち着いて行動できる,いざという時に保育士のとるべき行動が瞬時にわかる,避難訓練で問題点や改善点を明らかにし防災対策をブラッシュアップできると報告しました。
※国東市とCERD(協力:大分県・大分地方気象台)では令和6年8月5日・7日に「要配慮者利用施設における 避難確保計画」に関する事業者説明会を開催しました。
第三部 「若者からの提言」 では県立国東高等学校生徒と大分大学の学生より令和6年11月23日に開催した「フィールドツアー」と12月27日の「ワークショップ」の様子を動画(YouTube動画)で紹介しました。そして,2040年に国東市が迎える減災社会の姿を「教育」「避難」「観光」「福祉」の4つの分野から目標を設定し,2033年までに行うべき行動計画の実現に向けて,自分たちができることを発表して締めくくりました。
第四部 「市民参加によるディスカッション」においては,パネリストとして国東市長 松井督治 様,大分県生活環境部防災局長 首藤 圭 様,気象庁大分地方気象台長 酒井亮太 様,市民代表 萱島美和 様,同じく市民代表 倉田久美 様,高校生代表 大分県立国東高等学校2年 上野悠奈 様,コメンテーターとして九州大学大学院工学研究院附属アジア防災研究センター教授 三谷泰浩 様(減災センター客員教授),コーディネーターを鶴成センター長が務め「みんなでつくる国東の防災・減災」をテーマに討議が進みました。討議では来場者にクリッカーと呼ばれる装置が配布され,スクリーンに映し出されるアンケートに回答し,結果からどのような対応が必要なのか,壇上と参加者である市民が一体化したパネルディスカッションが開催されました。
大分大学では地域貢献の一環として県内の自治体と協働による「減災シンポジウム」を開催しており,令和7年度の開催は杵築市を予定しております。