②平成29年9月台風18号の被害状況について(緊急調査)【その2.津久見市内】

2017年9月18日(月)

平成29年9月18日(月)に実施した調査結果については,3つのページに分割しています.

①大分市(下戸次)調査地点番号 ①,②

②津久見市内   調査地点番号 ③

③佐伯市       調査地点番号 ④,⑤


 大分大学減災・復興デザイン教育研究センターでは,平成29年9月17日(日)に接近した台風18号の被害状況について緊急の現地調査を実施しました.
調査は大分市内戸次(備後・利光),津久見市内地,佐伯市本庄波寄・弥生大の5箇所(臼杵市については車中からの確認)を中心に,流域の被災状況と痕跡調査(洪水水位の痕跡)を実施しました.なお,報告による推定洪水位水位(T.P.)については,地理院地図(https://maps.gsi.go.jp)から取得した地点標高に痕跡高さ(m)を加えて,推定しています.
 ※写真及び動画について二次利用される際には,出典を(大分大学減災・復興デザイン教育研究センター)明記してください.

 


 

大分市-臼杵-津久見市までの映像


 

③津久見市内
市内中心を流れる津久見川が氾濫し,中心市街地に床上浸水など多くの被害が見られた.台風接近当時の潮汐は中潮上げの潮間帯であり,津久見川の水位については潮位の影響も考えられる.なお,調査は津久見市中田町から宮本町,市役所から中央町を通り,津久見港そして岩屋町から津久見高校までのルートを調べた.それぞれ地域の特徴毎に状況を報告する.

※ドローンによる撮影は人口集中地区(DID)以外で行っています.

 

 

 

  1. 宮本町では,床上浸水による多くの被害が見られた.そして道路に堆積した土砂量が多く,最も多いところで5~7cmr程度の層厚が確認できた.特に堆積した土砂には礫分は含まれておらず,その粒径の多くはシルトから砂質である.建物や外壁の痕跡から3.5~4.0m(T.P.)程度の洪水水位があったと推定される.津久見駅周辺部南側では泥質化した液状の泥が跨線橋付近に溜まっており,周辺部分で最も低地であることが分かる.同じ土壌から津久見市役所駐車場も同様の低地であったと推定できる.一方で,岩屋町に横断する橋台周辺でアスファルトが陥没し車が動けなくなるなどし,付近が通行止めになった.状況を警察官に聞くと,アスファルトの路盤が表層から2m程度空隙状況であるため,橋と付近の道路を通行止めにしたとのことである.橋台踏掛版周辺部の路盤および路床の一部が河川に流出したと考えられる.

  2. 中央町では,床上,床下浸水の被害が多く見られた.特に上流側の宮本町から中央町にかけて氾濫した濁流が流れ込み,周辺部分が浸水したとみられる.建物や外壁の痕跡から3.5m(T.P.)程度の洪水水位があったと推定される.宮本町に比べ,中央町が堆積土砂が少なく感じたが,その理由としてJR日豊本線が両町の間の「せき」の役割により水理学的な現象によって,その差が生じたと考えらる.

  3. 大友町から中田町津久見高校にかけて津久見川とも彦ノ内川の合流付近で床上床下浸水の被害が多くみられた.津久見川河口周辺部日豊本線の鉄橋の一部(護岸含む)が破損している.建物や外壁の痕跡から高い所で5.7m(T.P.)程度の洪水水位があったと推定される.堆積した土砂の多くはシルトから砂質である.

 

 

 

 

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