日田市小野地区斜面崩壊調査結果と三次元データの公開

2017年7月16日(日)

九州北部豪雨日田市小野地区で発生した斜面崩壊について
 大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(CERD)では九州北部豪雨災害に伴う小野地区斜面崩壊現場(崩壊斜面長約400m,幅約250m)において,関係機関の許可のもと,UAV(通称:ドローン)を用いて写真測量を実施し,崩壊した斜面の画像から詳細地形を作成しました。日田市小野地区の地質は英彦山から犬ヶ岳を起源とする火山体による火成岩が分布し,安山岩および火山砕屑岩が分布しています。風化し比較的脆弱なこれらの火成岩が大量の降雨によって崩壊したと考えられます。(地質学出典:産業技術総合研究所平成29年7月5日-6日の豪雨による大分県日田市小野で発生した斜面崩壊の地質学的背景
 崩壊した滑落崖周辺では,山頂周辺から大量の雨水が流れたとみられる痕跡もあり,ある一点に集中した雨水が斜面上部の深層地盤に浸透し,比較的数メートルの深い箇所から地すべり性の崩壊(通称:深層崩壊)が発生。崩壊した斜面中腹の岩盤層は地表から浅く,上部で崩壊した土砂が連動した結果,斜面中腹部の表層崩壊が誘発されたと考えらます。一方で,本調査でドローン撮影した動画から,小野川流域のほか,鶴河内川流域の大規模な斜面崩壊についても,多地点で山頂部で深層崩壊による大規模な斜面崩壊が多発したとみられます。

 調査結果をうけ,CERDでは調査結果を公開するとともに,学術研究および関係機関への定量的な災害情報の提供を目的に,写真測量の結果を公開します。ドローンによって取得した三次元データについては,特別なソフトウェア(一部ネット速度条件や最新のブラウザをアップデートの必要があります)を利用せずに,ブラウザで三次元データを利用できるツールを提供しています。ツールでは崩壊した断面の横断図を作成できるほか,面積や距離等の計測も行えることから,災害復旧および今後の災害履歴情報として活用を目的としています。

 本データの詳細データは災害復旧対策のほか,防災対策・教育,学術研究など公益し資する場合に限り,CERDから全てのデータを提供します。

 

日田市小野地区斜面崩壊三次元データの提供
以下のリンクから斜面崩壊の三次元データをご利用ください。
ドローン写真測量による日田市小野地区斜面崩壊三次元データ利用ツール(スマホ対応)

 

 

日田市小野地区斜面崩壊三次元データ結果

 

日田市小野地区斜面崩活動崖周辺(崩壊頭部上流側)

 

日田市鶴河内川流域上宮地区大規模斜面崩壊

 

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